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ナムジャイブログ

2008年10月22日

頭の悪いタイ人

いきなりだけど、僕にウソをつくのは非常に難しい。 多くの人がそう思っているらしいし、実際難しいんだと思う。 何でかというと、僕は妙に小ざかしく頭が回るからだ。 適当に言いあしらったり都合の悪いことを隠したりすると、妙に鼻が利くので、あっという間にウソを見つけ出してしまう。 しかもベラベラとよくしゃべるので、あっという間にみんなにそれを知らしめてしまう。 実に扱いづらい男だと自分でも思う。

しかし 「何でそんなこともわかってくれるんだ」とか「そこまで自分の気持ちをわかってくれたことはない」とか、そういった最大限の賛辞を僕に送ってくれる人もたくさんいる。 そういう人は、いい人である。

こうも言える。 何かを隠している人・何か別な本心を持っている人にとっては、僕は悪い人なのではないか。 都合が悪いのではないか。



で、自分で言うのもなんだけど僕はどうもタイ人の常識や考え方を普通の日本人よりもずっと詳しくよく知っているらしい。 僕はタイに来てまだ3年ちょっと ... その内1年は日本で過ごしたので、実質2年ちょっとしかタイで過ごしていない。 だけど、タイ人の考え方をよく理解していると思う。

タイ人の考え方って、日本人が思っているほど変ではない。 タイ人っていうのは、知れば知るほど結構普通の考え方をしている。 ただ住んでいる場所や状況が日本と違うだけだ。 でも、99%の日本人がタイ人が思っていることをちゃんとわかっていない。 何でか。

タイ人は、日本人と比べると「パーソナルスキル」が桁違いに高い人が多いからだと思う。

パーソナルスキルという言葉をご存知だろうか。 色々な定義があるが、自分と考え方が違う人とコミュニケーションをとる技術ともいえる。 タイ人というのは、陸続きで多くの国に囲まれ、常に外国人とコミュニケーションをとっている。 更に、同じタイ人といえども外国人といえるくらい多様な民族がいる。 文化も習慣も言葉も違う人たちが一緒の国に住んでいる。 更には日本よりもずっと多くのヨーロッパ人が暮らしているので日常的に多くのヨーロッパ人とも会話する。 このように日常的に外国人と接することによって、元々パーソナルスキルが非常に高い人が多いのである。

そんなタイ人と比べて、海に囲まれ日本人だけしか知らない日本人というのは、まるで無菌室で育った赤ん坊の様なものだ。 タイ人にとって日本人を思い通りに動かすのは赤子の手をひねるより簡単なのである。

僕はどうやら普通の日本人よりずっとタイ語が上手いらしい。 僕の顔は誰がどう見ても絶対に間違えないような日本人の顔をしているらしく、多くのタイ人が僕を日本人だと期待して話しかけてくる。 ところが、僕のタイ語を一言聞くと、多くのタイ人は青ざめて逃げていく。


これくらいタイ語が上手いとあまりタイ人から歓迎されないのかもしれない。 だが、そんな僕を普通のタイ人として気にせずに話しかけてくる人もいる。 こういう人たちは、極めて「タイ人らしく」ない。 いわゆる日本人が思っている適当でチャランポランなタイ人ではない。 実に普通だ。 下手すると日本人と話しているのとほとんど変わらないのではないか、と感じることすらある。 普通のタイ人は結構厳しい。 普通のタイ人は結構ニコニコしない。 といいうか、こっちの方が普通の一般市民のタイ人なんだと思う。

日本人に近づきたがるタイ人というのは、独特だと僕は思う。 確かに、日本人に近づきたがるようなタイ人という人種が存在する。 これは確実に普通のタイ人とは絶対に違う。 しかし、それは騙しているのとも違う、本心を隠しているのとも違う、微妙な蜜月関係なのだ。 本心は隠している、 もっとも彼らが本心を日本人に打ち明けたところで、日本人には理解できないので、最初からあきらめているのである。 だからといって、それを責めたりもしない。 自分のことはわかってもらえていないそのままで、その日本人を愛すことができる懐の大きさがある。 このバランス感覚こそが僕には、実にタイ人らしく見える。

そういう大局的な見方をしているタイ人の視点に、日本人はどうやっても到達できない。 何を考えているのか気がつけない。 タイ人がいくら説明しても言うところを納得できない日本人。 時にはタイ人をバカだノロマだと罵る日本人。 実はわかっていないのは日本人なのだが、それを責めずに「そうタイ人はバカなのだ」と日本人の意見を否定せず、あくまでも日本人の立場に立とうとする優しいタイ人。 それでありながら、鶏舎にニワトリを追い込むように、優しく人をあつかうしなやかさがタイ人にはある。 それに気がつかない日本人。 日本人とは、正に子供のようだと僕は思う。

タイ語が話せる日本人は結構居る。 しかし、タイ人の考え方を理解している人はあまりいない。

タイ語に「プーッタイルールアン พูดไทยรู้เรื่อง」っていう言いかたがある。 ルールアンというのは、状況がきちんと飲み込めている状態を表す言い方で、つまりはタイ語がわかっているという意味だ。 ここで「プーッタイペン พูดไทยเป็น=タイ語が話せる」 とはいわないのだ。 つまりタイ語が話せるという能力と、きちんと状況が飲み込めているかどうか、をきちんと言い分けているのだ。 というわけで、タイ語が話せるけど訳がわかってない、という日本人は、ムチャムチャ多いと思う。

タイ人というのは、そういう風な見方をしているものだ。

ところで、実は日本人がタイ人の考え方を理解してしまうと、むしろ都合が悪いと思っているタイ人がいる。 これもまた事実なのだ。 これが僕に話しかけると青ざめて逃げていくタイ人だ。


再度いうけど、僕を騙すのは非常に難しい。 どういう巧妙なウソを付いても、その人の言動から微妙な矛盾点を嗅ぎ取ってウソを見抜いてしまう。 (だから僕は本心を隠したがる日本人には好かれないわけだが。)


で、僕が複雑な気持ちになるのはここだ。 日本人がこころのそこから信じているタイ人が日本人に対して付いているウソが僕には見抜けてしまうのだ。 このとき、タイ人が何故そういうウソを付くのかも、日本人をどうやって騙したのかも、これまで、どういうウソをついてきたのかも全部僕には見抜けてしまう。 そして更に僕を複雑な気持ちにするのは、そのウソを暴露するとそのタイ人はおろか、その日本人までもが不幸になってしまう、という事実だ。 日本人は騙されて幸せなのだ。 この事実を目の当たりにする時、実に実に複雑な気持ちになる。

オレは違う、アタイも違う、と思われるだろうか。 ここでブログを書いている人の90%ぐらいは、この矛盾点に気がついて無いんじゃないかと思う。 (この点について、TLSの社長であるポンパン先生こそが冷酷に現実を認識できる数少ない日本人の1人なのだと僕は思う。 )

何故こういうことになるんだろうか。


こういう風にタイ人が考えていることを、ひとつひとつ日本人がわかる日本語で解き明かしていけたら、多少面白いブログになるだろうか。 いや、結構、読みたくない耳の痛いブログになるはずだ。 書かないほうがいいのかもしれない。

しかし、実は僕は日本人と話していても、かなり強い違和感を感じるようになってしまった。 日本人が言う色々な意見が、実は勘違いなのだ、ということを何とかしてわからせたい。 説明したくてしかたが無いのである。 それは誰もが理解できることのはずだ。 難しいことではない。 しかし理解できないのだ。 何故か。 何故ならば要するに理解したくないからだ。 理解できないのは「耳が痛い」からなのだ。

このブログはそういう耳の痛いブログになるだろう。



Posted by ピイカウホア at 06:56│Comments(8)
この記事へのコメント
どこから、コメントして良いのかわかりませんが、くわしくは今度あった時に。

タイ人のパーソナルスキルに関しては大陸と言う意味でのスキルは高いですが、組織と言う意味では非常に低いです。我々はそんなタイ人と仕事して利益を上げなくてはいけません。

仕事しないのなら、この国は非常にらくな国です。

タイ人は決っして我々日本人を日本人として受け入れることは個人レベルでなく文化レベルでは無いと思います。華僑のように、別枠になルと思います。

ピーカウフワさんも自分はタイ人のように扱ってもらっていると思っていたら、それは騙されているだけだと思います。

彼らと我々の握手があっても相互理解は不可能です。

もう一歩踏み込んで頂ければ、もっとタイの階級社会が見えてくると思います。

タイで10年ぐらい仕事をすればもっと違うタイの側面が見え手来るかと存じます。

一緒に仕事をすると彼らのチャランポランさに振り回されるのは日本人です。それでも、彼らと同じでやるとすると、日本から来た人間を騙すか、少ない売り上げで質素なくらしをするかです。

私は彼らに指示して、任せたと言って安心したことはありません。日本人には任せたと言って安心して仕事がうまく行く時が多いです。

ちなみに、私が仕事を一緒にしてきたタイ人の数は、サンプルとして非常に多いと思います。

我々もタイ人のようにしたいけど、外国人のような制限や、実際の不利さを分かった上でやってるのです。

安いコストで物を作りたい日本、それを良いように利用したいタイ。これは一種の植民地戦争のようであり、そして、利益を得たい人間達の祭りである、かも知れません。

彼らが我々を騙しているのは当の昔に気付いていますし、多くの在タイの本気の奴らはそのことに気付いている上でやっています。

10年以上住んでおり、帰る所の無い日本人にとってのタイランドは騙しあいだと思います。他国の経験は無いですが、異文化に接することはそういうことかなとも思います。
Posted by HetmanHetman at 2008年10月22日 11:34
★ こんにちは
タイ人も日本人もいろいろな人がいると思いますよ。
考え方も立場も状況も好みも、まったく一緒ではないですよね。
まずは生きていくことが必要ですよね。
騙されたっていいじゃないですか。
騙されたふりをしたっていいですよね。
楽しみましょう。
Posted by ピヤポン at 2008年10月22日 22:25
私は、すべてにおいて「勘違い」をして生きているかも知れないです。
出来ることなら理解できたほうがいいのか、そうでないのかさえ分からなくなっています。
それでもここにいなければならないので、こうしてたくさんの「勘違い」を書いてみます。
「耳が痛い」けど、理解したいこともあるかも知れません。
お気づきの点がありましたら、ご教授お願いします。
Posted by バットニャオ at 2008年10月23日 01:55
ポンパン先生この間、テーメーでお会い致しました。
教育熱心な方ですね。
Posted by カウマンガイ at 2008年10月23日 15:24
僕、思うんですが、僕も100%ピュアなゴリゴリの日本人なので、タイ人はいい加減だとか、仕事にならんとかそう思っているんです。

タイ人の考え方は、日本人の価値観から見ても、合理的な考え方からみても話しになりません。

だから、みなさんがおっしゃることは間違いなく正論だと思いますし、僕もそう思っています。 更には 論理的に矛盾がなく正しい考え方です。

しかし、そこから更に踏み込んで考えてみます。

僕は単純に、自分が理解できないって思っている人が何故そういう風な考えに至ったのか、何故そういう風な決断をしたのか、っていうことにすごく興味があるんです。

それを知るためには、自分の立場を全て無視して全て相手の立場にたつという「究極の相手尊重」を貫いて考えることが大切です。

それで気がついたんですが、合理とか論理も1つの偏見だっていうことです。 日本人はアジアの中では際立って論理的な民族だと僕は思うんですが、論理だけでは捉えきれない大きな世界がそこにはあると思うんです。

言ってみればそういう日本流の「論理」にしたがって究極まで突き詰めた結果が今の日本ではないでしょうか。 今の日本はうまくいっているでしょうか。 今の日本に帰りたいと思いますか?

更に突き進んで考えてみると、日本も論理的ではないということに気がついてきます。


また、僕が最近面白いなと思っていることは、ドイツとかそういう日本よりもずっと論理的な文化を持っている国の方が、日本よりも論理から外れた文化を大切にしていることです。

日本人は「何か」に対して盲目なんだと思います。 それはなかなか言葉では説明しづらいものがあります。

もちろん仕事をする上でタイ人よりも日本人の方が優れていることは間違いがないでしょう。 しかし、タイ人は全く異質な価値観をそこに持っています。 また、そういう異質な価値観に対する包容力があります。

優れていないから理解する価値がない、というわけではありません。

他でも何回か書いたんですが、「不完全性定理」って言って、ある論理体系がその論理体系自身の矛盾を見つけることは出来ない、っていうことは数学的な事実なんだそうです。

つまり自分の考えは常に正しいのです。

その限界を超えて相手の合理性を探すところに異文化交流の奥義があるって僕は思います。


ってきちーこと書くなぁ ... >>自分
Posted by ピイカウホアピイカウホア at 2008年10月24日 03:30
文章だとけっこう攻撃的になってしまって申し訳ないんですが、

>タイ人も日本人もいろいろな人がいると思いますよ。 考え方も立場も状況も好みも、まったく一緒ではないですよね。

これこそ正に典型的な日本の考え方ではないでしょうか。 現実は、色々な国や民族の人が居るなか間違いなく、その人たちに決まった傾向が存在します。

その傾向を観察する努力を止めたら、それ以上進歩しません。


みんなが違う世界にいるから、きっちり違いをあぶりだして考えなければいけないはずです。

ところが日本だと「まぁ色々な人がいるわな。 そうカリカリすんな。」 という風になります。

しかし、よくよく考えてみれば、海で囲まれてみんなが同じ考え方をしているから「まぁカリカリすんな」で済むのです。

世界には本当に色々な人が居ます。

カミさんに20万円渡したら、翌日には使い果たしてしまう国とか、神さんにボーナス渡したら翌日には親戚中に配ってなくなってたとか。

銭湯に来て喜んで湯船で体を洗う人とか、それを注意すると逆ギレする人とかが普通に居るわけじゃないですか。 世界には。

そういうムチャをやってそれが普通の国ってたくさんあります。 それこそ「まぁカリカリすんな」 じゃ済まないです。

ちゃんと相手の考え方を理解したうえで、相手の合理性に従って「こういうことはしないでね」って説明しないと、いつまでたっても話がかみ合いません。
Posted by ピイカウホアピイカウホア at 2008年10月24日 03:42
バットニャオさん、

僕は、イサーンで苦しんだことがある経験からいって、バットニャオさんが書くことって凄くよくわかります。 同じ不条理感で散々悩んだことがあります。

どんなにムチャをされても、怒ることも出来ず、日本人に相談しても「そりゃお前が正しい」以上の考察を得られず、とても精神的に厳しい状況に追い込まれちゃうじゃないですか。

時には怒鳴り散らしたくもなります。 でも、怒鳴り散らすと大変なトラブルを呼び込んでしまいます。

これは、みんなにわかって欲しいことなんですが、どなりちらしても「あぁ日本人だから」と納得してもらえるバンコクと全然違うんです。 深刻なトラブルになってしまいます。


応援してます。

P.S.
(多分)バンカオですよね。いらっしゃるところ。 僕が知る限りチャイヤプームにはけっこう少なくない日本人が居るとおもいます。 でも結構みんな連携が疎なんですよね... 連絡を取り合って相談しあうのがいちばんだと思います。
Posted by ピイカウホアピイカウホア at 2008年10月24日 03:48
カウマンカイさん

ポンパン先生もそんなところにいくことあるんですね ... (^-^;;

ポンパン先生の様に表裏よく知り抜いている人が、あそこでどういう風なスタンスを守っているのか凄く興味あります。
Posted by ピイカウホアピイカウホア at 2008年10月24日 03:53
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